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2021.05.13
「電車型」から「車型」キャリアへ。自分らしい働き方をどうつくる?【イベントレポート】これからの働き方を考える vol.1
2021年5月8日、山梨県都留市にて生涯活躍のまち事業を官民連携で推進するまちづくり法人「まちのtoolbox」主催のオンラインイベント「ノーノーマル時代。これからの働くを考える vol.1」が開催されました。
【登壇者】
本田 久仁子 さん / 大阪府生まれ。東京都在住。上場企業を退職し都留市の仕事をリモートワーク。空き家を借りて二拠点居住中。
小川 悟 さん / 東京都生まれ。カーディーラーを退職し、山梨県都留市へ移住、都留市で勤務。
田邉 耕平 さん / 山梨県都留市生まれ。上場企業退職しUターン。都留市で起業。まちづくり法人の理事としても活動。
【ファシリテーター】
酒井 裕紀さん / 埼玉県在住、都内上場企業勤務。都留市の仕事をリモートワークで副業。
イベントレポート
はじめに
酒井さん(ファシリテーター)
「withコロナ、VUCAと言われる時代で今までの当たり前が大きく変わってきている。ロールモデルも全く違うものになったり、なくなっていったりしている。一人ひとりがオリジナリティのある働き方を考える時代になっているのではないか。
本イベントではノーマルではないが、自分らしい働き方をしている人たちの話を聞いて、働き方について考える機会になればと考えている。」
1 自己紹介
本田さん
「東京都稲城市在住。縁があって都留市に二拠点目の住居ができた。3月から週1回のペースで都留市と東京の行き来の生活をしている。今月から本格的に都留市で働いている。
大阪府吹田市千里ニュータウンで生まれ育った。進学校に進学して、大学に入って、新卒で就職して2年目でやめるまでは両親と暮らしていた。就職したワインの専門商社が激務で、8時半から23時までの仕事で嫌になって、ワインアドバイザーの資格を取得したので満足して、転職をした。その後は、梅田でふらっと寄ったIターンフェアで出会った長野県の上高地のホテルに転職することにした。就職したホテルの正社員は10人ぐらいで、あとは季節のアルバイトだったので、いろいろなことを担当した。そこでソムリエの資格を取得した。当時はインターネット黎明期でネットの常時接続ができるようになってきたときだった。ホテルをウェブで予約をする取り組みなどのITの取り組みを担当した。へき地だったので、一生暮らすという考えにはなれずITの知識がついたのでITの仕事がしたいと思ってソフトウェアベンダーに2001年に転職をした。
2005年に結婚、出産をきっかけに退職し、育児との両立の関係もあってアルバイトをすることにして、ウェブコーディングができるようになった。ウェブデザインをする中で、ディレクターを志すようになって、それからはウェブディレクターとしていろいろな会社で仕事をしてきた。ウェブディレクターというのは、クライアントから依頼を受けて、ウェブサイトを作る。達成したいことをヒアリングして、構成案を作って、制作チームに指示を出して作るといった仕事内容になる。事業会社、事業部門と制作側のすり合わせをするのがハードだった。
自分がディレクションをしたサイトがリリースされるのは面白いと思っていくなかで、2018年にデジタルマーケティングの会社に入って、産業技術大学院大学に通い始めて、ユーザーエクスペリエンスやワークショップデザインを学んだ。その後、青山学院大学のワークショップデザインのコースにも通った。
コロナになって、リモートワークで交流がなくなったので、オンラインでワークショップができないかという話があり、それに取り組んでいく中で、都留市のワークショップの取り組みに声をかけていただいて、都留市との関わりのきっかけになった。都留市役所の人たちも面白い人たちが多いなと感じていた。夫もIT企業でリモートワークなので、家の中で二人でリモートワークをしていると、声が重なるなど、不便な部分も感じたので、もう1件家を借りようかと話していたところ、都留市の方が貸してくれるということで、借りることにした。
明確に都留市に移住しようという思いがあったわけではなく、なんとなく流れで都留市で仕事をしているといった感じ。ただ、結果として働き方としては自分の理想とするものになっていると感じている。」
小川さん
「32歳。東京都調布市出身で、山梨県都留市は移住先になる。30歳の境に移住を決心して、都留市での生活は3年目。それまでは埼玉県のさいたま新都心に本社のある自動車会社の営業マンをしていた。個人営業、法人営業で、工場や地場産業の製造業、個人のお宅への営業だった1日120キロ車に乗るような仕事だった。仕事は大変だったが充実していた。
中学生の時に課外授業で世界を自転車で旅した人が来て、その講演を聞いた。その講演を通して、自然を見て旅行するのは楽しいということがわかって、高校生から今まで旅を趣味にしている。旅館やホテルよりもテントや車中泊で日本全国を回っていた。自転車にテントと銀マットを積んで、東京から北海道の最北端まで1日100キロぐらい走るというようなこともしていた。大学に入って車の旅行をする中で、車業界に行きたいと思って就職した。
就職してから営業と並行して採用の手伝いを5年ぐらいしていく中で、人のキャリアを支援する仕事をしたいという想いが出てきた。そのような仕事を探す中で、地方に移住する人もいるというのを紹介していたTURNSという本に出会った。その中で、移住の相談員というキャリアもあるのだと知り、その仕事を探す中で山梨県都留市で移住相談員を募集しているということで、就職することになった。
今は都留市のまちづくり法人の一般社団法人まちのtoolboxで空き家バンクやお試し居住の案内をしている。移住の相談と一緒に仕事の相談も受けたいと思って、キャリアコンサルタントの資格やカウンセリングの資格も取得した。今では、市内の大学生の就活相談もしている。その他、織物やIT人材の養成講座なども行っている。本日午前中も傘の養成講座を実施していた。」
田邉さん
「山梨県都留市で3年前に会社を作った。また、官民連携のまちづくり事業をしている。都留市出身でそこで高校まで育った。大学で都会に出たが2,3日行って、英語の授業を受けた時にまた高校と同じようなことをやるのかと思って大学を辞めた。ただ、実家に戻るのも嫌だったので、そのまま東京でアルバイトをしていた。アルバイトをしていたところのコネでインターネットの会社に就職した。最終的にその会社は閉じられることになったが、インターネットは面白いと思い、もっとインターネットの仕事ができる会社に就職したいと思って、ウェブコンサルティングをしている会社に就職した。そこで一から成長させてもらった。
その時のプロジェクトの1つに葬儀屋さんのプロジェクトがあった。都会では葬儀屋を探すとき、インターネットで「葬儀 東京」などで検索する。このため、ネットマーケティングが非常に進んでいる業界だった。取り組んでみると、現場の担当者の方のほうが優秀で、自分の付加価値が見いだせない状況だった。そのため、自分が事業の中に入って経験をしないと次のステップに行けないと思って、ネット系の事業会社に転職をした。
転職先は当時100人ぐらいの会社だったが上場をしていて、社員はみんな非常に優秀で、上司はハーバード大学卒。大学を3日でやめた自分ではあるが、そこでもいろいろな経験をさせてもらった。その後グループ会社へ出向して、取締役会などに出ることになった際に、株式会社では、株を持っていないと大きな決定権を持てないと感じた。その会社はとても良い会社だったので、この会社でもモヤつくならば自分でやるしかないと思った。個人事業主として、いろいろな仕事を個人としてやりはじめることになった。そうする中で、子育てを田舎でしたいという想いもあり、実家のある都留市に戻ってくることにした。」
2 東京時代の働き方
本田さん
「つい先月まで10数年間東京で仕事をしていた。あまり求めていたもの、目指していたものというのはなかった。目の前のことを必死にやっていたという感じ。育児と仕事の両立で必死になっていた。認可の保育園の時間は19時までになるので、18時までしか仕事ができない。制作の会社は18時では仕事が終わらないので、仕方なく派遣社員として仕事をしていた。育児が落ち着いてきて、スキルアップ、目指せるものというのが最近できてきた。それまではずっと育児と両立するための働き方という感じだった。」
小川さん
「埼玉での仕事だった。営業マンだったので、数字、目標を優先していた。毎日ランキングが出て、ライバルの契約が入ったかを見て、勝負勝負勝負という感じだった。数字を追い求めて意地になることがやりがい、生きがいになっていた。積まれたものを早くなくす仕事というよりは、どれだけ早く、高く積み上げるのかといったものだった。
ある日、豊島区の社長と知り合って、その人から取れる限りの契約を取ったことがあった。土日に契約書を持ってこいということで、車で向かった。その日は妻がインフルエンザで40度の熱を出していたが、仕事が優先ということで、行くしかないと思って行った。契約をしながら、ガストのレストランでハンバーグをおごってもらって、帰ってきたら、妻が倒れていた。起き上がらせて、なんとか息ができるようになったという状態だった。このことがきっかけで、本当にこの仕事がやりたいことだったのかと考えさせられた。私も妻も趣味は旅行だが、仕事に打ち込み過ぎていて休みも合わなくなっていた。そういった状況を振り返る中で、なぜ車業界に就職したのかという根本も含めて改めて考えるきっかけとなった。」
田邉さん
「スタートが大学中退で外れ値のような感じだった。このままだとやばいなとうすうす感じていた。同級生が就職する22歳の時にちゃんとしていないといけない。ちゃんと成長しないとという焦りが30歳ぐらいまではあった。ある程度働いてきて、焦りはなくなったというのはある。お金や時間、能力を使って何に貢献するか?という意思決定をすることが仕事になるが、その意思決定をするというのは、自分でリスクをとっている人しかできず、構造の中で決まってしまう。スキルをのばすことを取り組んでいたが、意思決定の構造自体を自分の手元に置けるようにしていくという転換点が前の会社で経営に関わって思ったことかと思う。」
3 今の働き方
小川さん
「都留市に移住してから大学生の時のようなフットワークの軽さというのが戻ってきて、自分が好きなことと仕事のバランスがとれるようになってきた1泊2日で休みが取れて、旅行もできる。移住してすぐに山梨から神戸へ旅行をした。姫路城に行って、ライトアップしているのを見たりしたが、旅行もしながら、仕事も頑張れるというのがとても幸せだなと思った。自分の幸せとは何かを考えながら、仕事も生活も我慢しないということができていると思う。」
本田さん
「これまでなぜ9時から17時まで拘束されて働く必要があるのかというのが疑問だった。育児の時に他に正当な理由があるのに9時から17時まで拘束されないといけないのかという世の中がおかしいと思っていた。コロナで状況が変わって、家の中でパソコンを二つ並べて副業ができるというのは新しい気づきだった。二つ仕事を続けても良かったが、都留市にちょこちょこ行くことになって、自然と触れ合って、豊かな生活ができるようになった。大家さんが来て、わらびはここにあるよ、などといったことを教えてもらって、視野が広がった。生きる幸せというのは仕事だけではないというのを感じたのと、都留市の仕事で人材が不足しているということもあり、1つの仕事にすることにした。」
田邉さん
「本田さんの家にわらびを取りに行ったり、平日の昼間に資材を取りに行ったり夜中まで働いたりという生活をしている。朝起きる9時から17時まで働く、上司の言うことを聞くなど、今まで当たり前だったルールが自分の中に暗黙の中に身についている。最近、そういった無意識のルールで動いてしまっているかもしれないということを思いながら、働くというのは大切ではないかと思っている。
意思決定というのが大切だと思っていて、会社を作るというのは、オリジナリティが求められることで、他の会社では取り組まないことを行うということになる。そのオリジナリティを突き詰めることは、無意識に持っているルールとのせめぎ合いになるのではないかと思う。生まれ育った町が好き、まちに貢献するために活動をするという方向性の一方で、稼ぐための仕事も大切でそのためのスキルも常に学び続けることもしている。そこから逃げない。
リモートワークの環境になったり、個人で取り組むと学習する機会は自分で取りに行かないといけなくなると思う。これまでは会社の隣の先輩が教えてくれたが、今ではジョブ型で仕事を分割して取り組むので学習機会が極端に減ることになる。それをどう獲得するかは非常に意識していて大切だと思っている。オンラインで学びの機会は多いので、自分がどういうことに興味があるか、どう検索するか、そういう気づきをどう得るかというのは大切にしている。」
酒井さん
「他の会社ではなく、自分でないといけないことというのはどういうこと?」
田邉さん
「例えば、昨年都留で大学を卒業したが、起業するか国家公務員になるかを悩んでいるという相談をもらった。その人には、国家公務員の試験までの間、都留市で好きなことをしたらということで、一緒に時間を切磋琢磨できる仕事にしようということで、会社で働いてもらっている。これは普通の新卒採用ではないと思うし、自分にとっては経験で学習の機会かと思っている。」
小川さん
「周りからではなく、自分からどういうことをやっていくべきかを計画していくことが大切かと思っている。山梨県の移住ランキングを1位にした人が東京にいて、3か月後に何をするのか、半年後にどういうことを達成するのかを計画するのが大切と言われたことがある。その当時は「そんなのはわかっている」と思っていたが、今では改めてこのことを大切だなと思っている。
今日と同じ自分だと落ちていくだけだと漠然と思っている。今日よりも良くなった自分にしていきたいという思いがあって、自分を強化する動きをしないといけないなという思いを持っている。」
4 キャリアを選ぶ際に大切にしている考え方
本田さん
「先日、高校の同級生と30年ぶりに会った。その時に、私たちが高校生の時は良い大学に入って、良い会社に入るというのが絶対的な価値観としてあったという話になった。今、その同級生は日産で20年務めた後、エンジニアのフリーランスとして働いている。しかし、大学生当時は、会社員になるか、なれなければホームレスだといった極端な選択肢だった。もちろん、今でもその価値観で生きている人もいると思う。ただ、価値観が変わってきているという部分もあり、それに合わせてライフスタイルを変えていこうとしている。ただ、そういう人たちばかりではないと思うので、そのすり合わせというのは必要だと思っていて、ワークショップデザインで個を活かしたり、その人の一部分を理解することの支えになるような部分を担っていきたいと思っている。」
田邉さん
「偏差値は正規分布になる。正規分布は中心に大多数の人がいるという形で、これまでは多くの事柄がそれで説明されることが多かった。ただ、インターネットはロングテールで、大多数の層はあるが2割ぐらい。それ以外の8割は「その他」になる。インターネットが当たり前の社会はキャリアも正規分布からロングテールに少しずつ移っているのではないかと思っている。そのヘッド(多数)の部分にいるのか、テール(少数)の部分にいるかを考えてみると、ヘッドの部分はグローバルになるし留まるのは大変。テールの部分で「そういう人がいるのも良いよね」という部分に勇気を持って自分がなれるか。ヘッドの部分に頑張って残ろうとするのか、それともテールの部分に走りぬいてみてもというのを考える中で、怖さは感じつつ、テールの部分を走りぬいている。」
小川さん
「走り抜けたいという若者も一定数いると思う。ただ、それに該当する先輩というのが、ネットでは出てこない。そういったキャリア支援は必要なのではないかと思う。一般的な大学が提示する進路は企業、公務員、学校の先生、大学院といった形になる。それでこれまでは成立していたが、それ以外の選択肢になったときに提示するのが既存の枠組みだと難しいなと思っている。」
酒井さん
「先が見えないこと、常に自分で考えないといけないという部分に不安を感じて踏み出せないというのはあると思うがどうか。」
田邉さん
「1人で走るのは大変。勇気もいる。隣や近くに走っている人がいるなというのが見えるとそういう方法もあるかなということで、自分も走ってみようということになると思う。そういう人がいる場がある、そういう場に行く、調べてみるということからかと思う。」
小川さん
「自分も同じ様な価値観を持っている人が一緒にいなかったら続かなかったかもしれない。これが今までは会社だったのかもしれないが、同じような価値観があるコミュニティ、同じような考えの人たちがいるというのが都留市にはある。それが良かったなと感じている。」
本田さん
「今でもそうだが、一生懸命になりすぎていて、前のことが見えない。やめたらどうなるかというのを考えずに先に実行してしまう。良く良く考えれば都留に行く必要もないかもしれず、これまでの仕事を続けていればよいという選択肢もあったと思う。ただ、企業で働く中で、自分のやりたいこと、動きたいことを実行できるということの少なさは感じていた。フリーランスだと、一緒に働く人も含めて自分で選択して働くことができる。失敗しても生きるすべはあるので、そこにしがみつく必要はないと思った。」
5 都留市暮らしのメリット・デメリット
小川さん
「都留市に来る前は、もっと移住者としてアウェイだったり、田舎のボスのような人の下で奴隷のような感じで働いたり、日本酒を飲まされたりといったことがあると思っていた。実際はそういうことはなく、温かく迎えていただけた。行政だけでなく、ガス、水道の担当の人も人あたりが良く、銀行の人も親しくしてもらえた。これは後から知ったことだが、大学生が多くて、県外からの人が多いので、移住者に慣れているということだった。自然が近いので、いろいろな観光地に行きやすい。東京にも行きやすいのでちょうど良い。
デメリットは国道に依存しているので道が狭いことぐらい。スーパーなどの買い物は問題ない。」
本田さん
「稲城市は都留市に近く、高速で1時間。都心に通っている時間とほとんど変わらない。都留市はほど良く田舎なので、1時間で豊かな自然が楽しめるのが良い。住んでいる人たちも、イメージするような田舎の人ではなかった。普通に東京にいるような人で田舎田舎しておらず、特有の縛りのようなものも感じないのでそういった部分が良いかと思う。都留市の人たちにとっては当たり前でも、私たちにとっては新鮮。たとえば、そのあたりでタケノコが取れるよというのはないと思う。
デメリットは、車がないと生活が成り立たないところかと思う。」
田邉さん
「子どもの頃はこの何もない田舎は何なのかと思っていた。刺激がない。新しいカルチャーから取り残されたようなイメージだった。帰ってきてからは、むしろ最先端なのではないかと思っている。時代の流れとしては、ヒットチャートをチェックしてCDを買うのではなく、スマホで自分の好きな音楽がリコメンドされてくるという形になっている。ライブハウスや映画館といった新しい文化が入らないというデメリットはあるが、ネットで調べればいくらでもあるし東京も近い。生活コストが安いというのはメリットだと思う。何かをするときにベースとなる固定費を下げた方が新しいチャレンジもしやすい。地方は都会よりは生活コストが安いので、やりやすい拠点になると思う。自然と対峙するような生産者、林業従事者で何十年も仕事をしてきた人の話は、デジタルと異なり人の意思が全く反映されないので、非常に勉強になり、刺激になる。生産者の話が聞けるというのは自分にとってはメリット。だからといって、そんなに田舎田舎しておらず、開明的、都会的な人が多いので、田舎特有の何かというのはない。人口が3万人しかいないので、匿名性は低い。それがメリットなのか、デメリットなのかは人それぞれだと思う。」
小川さん
「暖かい人間関係を保ちつつ、ほど良い距離感を保っているという部分があると思う。ネット検索で物は調べられる。朝山登りをしているが、歩いて20分ぐらいで登れる山がある。そこは、昔お城があったところで、そういった歴史的な経緯があるまちでもある。」
6 質疑応答
質問者さん
「自分は正規分布の中央の生き方をしていると思う。みなさんはそれぞれの方法でテールの方に行っているという話だったかと思う。なぜ、その舞台が都留市だったのか。思っていたほど、ここだといった明確な理由があるのではない。こういうのがあるから、自然があるから良い、東京から近いといった小さな理由で滞在されているのかと思った。」
本田さん
「都留市のここが良いから来たという感じではなく、きっかけがあってそこから人も場所も知るようになって、良いなと感じた。家族も来てみて良いねとなった。」
小川さん
「移住する前は群馬、長野、山梨で書類を請求していた。自然が多く、実家に帰りやすい場所。雪山を見て過ごしたいということで、この3つの県だった。決め手は仕事だった。そして、来てみたら理想的だった。運が良かったなと思う。」
田邉さん
「自分は地元だったということが理由。それぞれ自分なりの何かがあって、フィーリングで決めているのではないか。移住については、他者に説明可能な理由があって、いろいろな比較をしてといった購買責任者のような決定ではなく、自分の感性で決めるのではないかと思う。そして、それで良いのではないかと思う。自分以外に説明責任がないので。」
小川さん
「キャリアコンサルティングの領域では「偶然性」というのが重要視されていて、それを大切にしていきたいとは思う。」
本田さん
「私は偶然の連続でここにいるなと思う。」
田邉さん
「仕事も移住先も、色々な条件を書き出して選択肢の中から点数が一番高いものを選ぶと、「これは本当に自分のやりたかったことなのか?」となったりする。実際に来てみて、暮らしのイメージができるか、人と会ってみて、直観的な感性の方が重要かなと思う。」
小川さん
「人生は電車ではなく、車。歩いている先に道はないが、自分が振り返ったときに道が形成されていることが大切かなと思っている。適当で良いよというわけではないが、そういった考え方も重要なのではないかと思う。それを支えてくれる人たちが都留市には多いので、それがありがたいかなと思う。いろいろなイベントに頻繁に声をかけてくれる人がいる。」
終わりに
皆さん、「これが決め手だ」「こうだからこう」というのがあるわけではない。この「あるわけではない」というのが正しいような気がしている。コロナ後は新しい常識が生まれ、ニューノーマルと言われているが、山口周さんは「古い常識がなくなった」というのが正しいのではないかということを言っている。
リモートワークが当たり前になったのではなく、リモートでも会社に行っても良いという「選択肢が広がった」というのが楽しいかなと思う。働き方についても、これまでは新卒で入って、年収が上がってという大きなストーリーが常識だったが、これからはそれぞれの小さなストーリーがたくさん生まれていくようになっていくのではないかと思っている。デジタルというのはそういったロングテールになっていくことを支援する力ではないかと考えている。自分で決めて自分で動く、意思決定をするというのが大切かと思っている。ただ、これはなかなか難しいことなので、そういう人たちがいる場所に行く、そういう人たちの話を聞くというのが大切かと思った。また、あまり前を見過ぎないというのも大切ではないかとも思った。
今後もノーノーマルの暮らし方をしている人たちをお招きして、定期的にお話を聞ける機会を作りたいと考えている。
スマホで気軽に!
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都留の環境・文化・移住情報を
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この記事を書いた人