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シリーズ【地方で働く、自分らしく】
長引くコロナウイルスの影響もあり、昨今は首都圏から転出する企業が増えています。
リモートワークが当たり前になる時代のなかで、地方で働く人も以前より増えてきました。
そんななか、先駆けて地方で活躍し、自分らしい生き方を模索してきた先輩たちがいます。
このシリーズでは、地方で働くメリット、自分らしい働き方とはなにかを先輩たちの経験を辿りながら、探っていきます。
【地方起業】地方起業のメリットデメリット。移住先での仕事の仕方。地方の電力会社はどうやって立ち上げられたのか
地方起業という言葉をご存知でしょうか?
昨今では、首都圏ではなく、地方での起業が話題になっています。
家賃が安い、初期投資を抑えられる、競合が少ない、会社の知名度をあげやすい……など、地方で起業するメリットはいくつも語られています。
果たして、地方で起業する人はよく語られるメリットを感じているのか?
地方起業にデメリットはないのか?
実際に山梨県都留市で起業した鹿島さんに、地方起業家のホンネを語ってもらいました。
鹿島さんプロフィール
神奈川県から山梨県都留市に移住してきた鹿島さん。
山梨県都留市では「つるエネルギー」という名前で電力会社を立ち上げています。
立ち上げからわずか3年。地域電力として認知度を高めている会社です。
「つるを明るく灯す」をコンセプトに、地域経済を活性化させる電力供給の仕組みをつくっています。
現在は再生エネルギーづくりに力を入れており、都留文化大学の学生団体「シェアハピ」と協同の活動もおこなっています。
都留市
山梨県都留市は、水が綺麗なことで知られる自然豊かなまち。
穏やかな風土が気に入られて、首都圏在住者からの移住人気が高い、のどかな地域です。
「地方で起業したきっかけ。自分をもう一度試すために移住を決意」
よろしくお願いいたします。
鹿島さんは神奈川県から山梨県に移住し、つるエネルギーという会社を立ち上げられたとうかがっています。
こちらの会社はどんな会社でしょうか?
つるエネルギーは山梨県都留市を拠点とした電力会社です。
つるエネは、「地域未来を明るく開放的にする」という目標を掲げて活動しています。その目標のために、私たちは2つの軸を大切にしています。
1つ目は、地域内に産業を創出すること。雇用を生み出すこと。これが電力取次業です。
2つ目は、つるエネが目指す世界観に共鳴してくれるコミュニティを、“新たに”生み出すこと、です。
地域内の雇用を生み出すには、消費を地域内に振り向かせていく。この考えが地域循環経済ですが、私たちは、市民の皆さんが毎月支払っている電気代を、なるべく都留・郡内地域で循環させる仕組みを作るために事業全体をデザインしています。具体的には、地域内金融機関のみとの連携をすることや、ウェブサイト、出版物等々も、地元企業に発注しています。電気工事店さんも地元です。
ここのこだわりは、相当なものだと思っていますし、唯一無二です。やりたくても簡単にできることではないと自負してますし、そこに私達の存在意義と、プライドが詰まってます。
この事業に対する姿勢を示す中で、自然と地域内外に伝わる私たちの雰囲気があると思っています。これを私たちは「世界観」と呼んでいますが、この世界観を中心に、地域内外の仲間と一緒に地域未来を明るくする“エネルギー”にあふれた活動を行う。これが第二軸のコミュニティを生み出すこと、です。
どちらの活動も、私たちは「本業」としています。それくらいに、この2軸は車の両輪のように、なくてはならないものだと考え、日々努力しております。
どんな理由で山梨県に移住されたのでしょうか?
移住のきっかけはまちのtool boxの伊藤洋平さんに声をかけられたことです。
ぼくはもともと首都圏で国際交流事業に携わっていましたが、立場や働く場所を変えたいと思って山梨県都留市にやってきました。
立場や働く場所を変えたいと思ったのはどうしてでしょうか?
もともと僕は大学で政治学を専門的に学んでいて、日本の社会が良くなるにはどうすればよいかなどを常日頃考えていました。
もともと携わっていた国際交流事業にも、もちろんやりがいは感じていました。
けれど、日本の社会に貢献したいと考えたときに、国という大きな単位で考えるより、地方で頑張っている人を支えることが大事なんじゃないかと思ったんですね。さらに言えば、もっと自分を挑戦にさらさないといけないと思った。思ってしまった、のほうが正しいかな。笑
それが働く場所を変えたいと思った理由です。
実際に、山梨県都留市に移住して、大変だったことはありますか?
自分の考えていた山梨県のイメージと全然違っていて、驚きましたし、戸惑いがありましたね。
移住する前はもっと空が広くて、景色が広がっていて、広大な土地をイメージしていたんです。
実際は山や森、木々に囲まれているじゃないですか。
他の人はそんなに気にならないのかもしれないけれど、僕としては、そのイメージとのギャップでまず戸惑いがありましたね。
それから、僕自身があまり環境を変えることに慣れていないタイプだったので、最初は不安ばかりが募っていました。
移住してたった2、3日でホームシックになっていたぐらいです(笑)
それでも、今は移住してよかったかなと思っています。
「地方起業で電力会社を立ち上げた理由。自分のやりたいことが電力業界の考えと一致していた」
移住したことで不安もたくさんあったんですね。
それでも移住してよかったと思うのはなぜでしょうか?
山梨県都留市に移住して、自分が納得できる働き方ができるようになったことが大きいと思います。
電力事業を通して、地域に貢献できている実感があって、今の仕事にやりがいを感じています。
どんなところにやりがいを感じていらっしゃいますか?
文句をいうだけじゃなくて、自分で失敗も成功も導き出せるようになれたことだと思います。端的に言うと、サバイバルしている感覚ですかね。生きてるなって、日々思います。自ずと、感謝して毎日過ごせてます。
あとは、少なくとも感謝されることがあります。僕からしたら、まだまだ助けられてばかりなのですが、そんな私でも、感謝される瞬間があって、そのときは、少しだけでも来てよかったのかなぁなんて、思ったりですね。
どちらも、自分と相手の距離感が近いのが地域ですから。良くも悪くも、リアクションが直にきます。それが、生きてるな!って思いますね。悩みも多いですが!
つるエネルギーのような考えで生まれた会社は、電力業界では珍しい会社のように思えます。実際、珍しい会社なのでしょうか?
珍しくはないと思います。
全国でも同じ思いを持って活動している会社は、地域新電力会社というカテゴリでいらっしゃいますし、僕らも尊敬している会社があります。違う業種でも、地域拠点会社として尊敬する会社がある。個人でもそうです。
つるエネルギーを立ち上げるときに、他の電力会社さんにノウハウを教えてもらう機会があったのですが、その際も地域のためになる会社を作るように、という心の誓いを深め合いました。色々と学ぶ中で、僕自身、電力業界そのものに大きな尊敬の念がありますし、どんどん深くなっていきました。
だからこそ、口であれこれ言うよりも、事業を継続していって伝わったものが何かで判断されるものだと思うので、丁寧に丁寧に作り込んでいきたいし、一気に広げて規模拡大という雑なことはしたくないんです。ここまでも、これからも、大切な思いをつなげるのが、私たちの役割だと思うからです。
そこに、つるエネの珍しさが、キラッと光れば、最高ですよね。
「地方起業のメリットデメリット。地方起業家のホンネ」
起業のお話に戻るのですが、地方で電力会社を立ち上げるメリットやデメリットについて、率直な感想をお聞きしたいです。
まずは補助金について、地方のほうが首都圏よりもメリットがあると感じましたか?
僕自身は感じてないです。
地方が特別補助金の金額が高いとか、申請できる補助金の種類が多いとかはないんです。
東京や神奈川にも補助金はありますからね。
なるほど。他にも、競合が少ないことや、土地が安いことがメリットにあげられますが、鹿島さんはどうお感じになられましたか?
競合が少ないのは確かかもしれないです。
でも競合が少ないということは、つまりビジネスチャンスが少ないということにつながるわけですから、メリットとは断言しづらいですね。
地方だから勝機が転がってるわけじゃないんです。
そこは経営者になる人のセンス次第じゃないでしょうか。私はセンスがないのでわかりません。笑
土地は、なんとも言えません。例えば、地方は自家用車が必須ですが、その維持費を込みで考えたらとか、色々と考え方はあるような気がします。
僕個人のことではありますが、私たちは小さな電力会社なので、大きな事務所を構える必要性を感じてないので、メリットは感じていないですね(笑)
鹿島さんが仕事をしていて、地方で起業してよかったと思うことは何かありますか?
僕が思う地方起業のメリットは、会える距離で事業を営めること、ですかね。
新しい取引先と仕事をするとなったとき、その人の空気感や信頼関係が何よりも大事だと私たちは思います。世界観を大事にしているわけなので。だから、その部分を共有する上で、地域というエリアを商域にビジネスを営むことはメリットだと個人的には感じています。
それから、よそ者の僕が会社を立ち上げられたこともメリットの一つに数えられると思います。
これは、地方起業というより、山梨県都留市という地域独自のメリットだと思います。
都留市は大学が多い地域です。
だから、よそからくる若者に寛容な風土があるんです。
僕が移住しても温かく受け入れてくれたのは、都留市だからこその魅力だと思います。
温かく受け入れてくれたと感じたエピソードは何かありますか?
つるエネルギーという新しい電力会社の話を真剣に聞いてくれる人がいたことが、まず他の地域との大きな違いだと思います。
突然出てきた人間に「電気の支払い先を乗り換えませんか」って言われても、普通だったらためらうことが多いと思います。
でも、ずっと私の長―い、思いの込めた話を聞いてくれる人がちゃんといたことがすごい嬉しかったですね。本当にながーいですから。私の話は。笑
最後は、分かった!ならいいよって、言ってもらえる。そこって、もう論理とかじゃなくて、不思議なものですよね。感謝しかないです。
デメリットとしては、「発展性がないこと」が挙げられますが、鹿島さんは実際に起業してどう思われますか?
そのデメリットは感じません。
広がりや発展性は限界があるかもしれません。
でも僕は、そもそも発展し続けることにあまり意味を感じないんです。
発展し続けるのではなく、関係性を深められる会社経営を目指すことが大事だと思います。
その地域のなかで丁度よいバランスを保てる会社づくりができれば理想だと思います。
(2回目へつづく)
【地方起業】起業の成功する秘訣とは?地方起業の新しいビジネスモデル、地域からの信頼を得るためにできる会社づくり
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